バリウムにごちそうさまと言った母〔他作)

昔はバリウムなどなかっただろう。
朝食抜きのバリウム検査に腹の減った母親が『ごちそうさん』と言った気持ちは分かる。
バリウムは年老いた乳牛から搾り取った乳のようでドロドロしており自分と重ね合わせ好感を持ったのではないか?
かく言う私は25年位前から『バリウムを飲めない人間』だ。定期健康診断のバリウムが苦痛なので、人間にとって『窮極のヌード』と言われる『胃カメラ』で行っている。
今はそれも「鼻穴」から挿入。大腸検査ははお尻から。現代の医学は穴があればどこからでも覗いて治療するようだ。穴がなければ無理矢理切り開いてしまう。
『穴ないと無理に穴あけする治療』治療後は、閉じて縫っておしまい。
手術後の少しの傷は患者負担。