ヒロシマのシンボル国の重文に

広島市中区原爆資料館と世界平和記念聖堂が国の重要文化財に指定されることが、21日決まった。
ともに平和を願って建設された被爆地広島の復興のシンボルで、戦後建築としては初の指定となる。
文化審議会が、小坂憲次文部科学省に指定するよう答申した。
文部省は近く指定を告示、建造物の重文は2298件(うち国宝は213件)となる。
原爆資料館平和記念公園の中心施設として故丹下健三氏が設計、1955年8月完成した。
東西82m、南北18mの鉄筋2階建て。
世界平和記念聖堂は、被爆者の故フーゴ・ラサール神父が、原爆死没者の慰霊と平和祈念の場として建築を発案した。1954年8月に完成。コンクリートブロックを組み上げた重厚で荘厳な外観に加え、鉄筋造りの奥行き57mの教会堂に高さ45mの鐘塔を組み合わせたバランスの美しさが優れている。
審議会は「世界平和実現を祈念する戦後復興建築の先駆的建築」と位置付けた。