知っているけれど分かってはいない(他作)

言葉の問題も色々。
まずはこの川柳の問題提起「知る」と「分かる」の違いから考えてみよう。
「知る」は・・・経験や外からの情報によって、ことがらや人についての知識を得ること。
「分かる」は、・・・ものごとの意味や内容を理解すること。
考えたから「わかる」ということはあるが、考えたから「知る」ということはあり得ない。
自分の中で「そうか!なるほど!」と思うのが「わかる」で、今まで自分の中になかった情報を取り入れるのが「知る」ということ。

次に「大切」と「大事」。
どちらも同じ意味で使うことが多い。
あえて違う点をあげるなら、
「大切」は・・・心情的、個人的に価値があると思うこと、
「大事」は・・・客観的重要性があると思うこと。
例・・・
役所から来た、重要な通知のハガキは「大事なハガキ」。
初恋の人からもらった、暑中見舞いのハガキは「大切なハガキ」。
(反対でも、まちがいではないが、どちらかといえば、こちらのほうが良いという程度の違い)

最後は、「思う」と「考える」。
「思う」は・・・頭や心に、浮かぶこと、感じること。
感情、意志、想像、希望、意見、判断などを述べるときに使う。
例・・「日本へ来たとき、ずいぶん人が多いなあと思った」
   「こんなにたくさん食べられないと思う」
   「彼を見た瞬間、ステキだと思った」

「考える」は・・・、知識や感覚などをもとに、ものごとを論理的に判断する知的な頭の働きで、結論を出そうとする目的意識がある。
問題を解く、何かを選ぶ、何かを作る、というような場合は「思う」ではダメで、「考え」なければならない。
例・・「この問題はむずかしくて、いくら考えてもわからない」
   「ウィンドウズは、マイクロソフト社が考えたもの」
   「結婚するのは、よく考えてからにしなさい」

 長くなったのでこれくらいで・・・・。