親孝行したいときには祖母がいる(他作)

昔から言われている『親孝行したい時には親はなし』を裏返して斜めに詠んだような句であり、読んだ瞬間笑ってしまった。
誰でも知っていることだが、『親孝行したいときには親はなし』の意味は、「親に孝行しようと思ったときには、親は既に亡くなって、初めて親のありがたさが分る」ということ。
今や平均寿命が延びて冒頭の句のように「親と祖母が同居」する家庭は珍しいことではない。
作者がやや狭量だと感じるのは、仮に「親孝行するためどこかに温泉に連れて行くならば祖母も一緒に連れて行ってあげれば良いではないか、そのこと自体も親孝行になるのではないか」ということ。
「温泉に連れて行ったことで親が喜び」、「祖母が楽しんだことで親が喜ぶ」
『器用にも孝行二つ併せやり』
祖母が、親の実母か義母かでコメント内容が微妙に違ってくると思われるので、このことには触れず終わろう。