ランドセルカバーを外し二年生(他作)

この句を読むと、セミの幼虫が地中から出て殻を抜ぎ羽化していく状況が脳裏に浮かぶ。
長い地中生活を送ってやっと『セミ』になるのを見るのは神秘的である。
入学後一年間ランドセルカバーをしていた児童がカバーを外すのを神秘的とは言わない。
しかし、まるで「公にテープカットでもして二年生へスタート」するような誇張的な表現をしているからこの句は面白いのだろう。
全く意味のないことだが、冒頭の句の情景を勝手に推測すれば、『始業式の日に市長や教育長を招待して、校長立会のもと、学級担任が、一人ひとりのランドセルカバーを外している』というところだろうか?
『カバーとれ進級喜ぶバカな親』
『親バカがカバー取れたと他人に言い』
『いつまでもカバー取れぬは母の面(つら)』

「ランドセルカバー」は現在では多くの市町村で交通安全重視の観点から着用している黄色のカバー。
これの着用には反対意見もある。『交通安全』対策には良いが『不審者』対策としては着用しない方が良いという意見があると言うから世の中色々。