ぼけてるのとぼけてるのおじいちゃん(他作)

小学生でも知っていることだが「ぼけ」とはぼけることであり、「とぼけ」とはわざと知らない顔をすること。
冒頭の句は言葉遊びのようだが、実際には多いことであり、実に面白い。
老人ならば、「とうとうぼけたか」であきらめれば気が済むが、中年の人が「とぼけた」振りをすると腹が立つ。
昔、公私混同甚だしく、部下使いの荒い上司がいた。
夕方帰宅時間になって、「K君乗せて帰ってくれないか?」と自分とは全く逆方向の部下に乗車を頼む。
それを聞いた他の部下がビックリして、「課長、K君の家は反対方向ですよ」と言うと、あたかも勘違いしていたかのような顔で「そうだったかな?」と首を一〜二回横にひねって一巻の終わり。
一言言わなかったら、おとなしいK君はそのまま課長を乗せて行っていたのではないかと思う。
この課長「とぼけ」を利用した前科はまだありそうだ。

話は変わるが、『ボケ』や『トボケ』、『ツッコミ』は漫才用語のようだ。
「トボケタ」ことを言う「ボケ」の発言に対し、否定もしくは否定色濃い疑問の言葉で「ツッコム」ことにより、そのやり取りで観客の笑いを誘うのが漫才とか?
ちなみに植物の『ボケ』は本来春に白・紅色の花を咲かせるのだがよく狂い咲きするから『ボケ』と呼ぶようだ。
『トボケ役やるに高度なテクニック』
『詐欺なんてトボケ上手は楽にでき』