どこか行くところないのと妻が言い(他作)

妻の性格にもよるが、仕事人間であった男は定年退職後、とかく家で邪魔な存在となる。妻がどこかへ出かけようとすると、『わしも行く』と言って、どこにでも付いて行き、払っても払ってもなかなか落ちない「落ち葉」に似ているので『濡れ落ち葉』という言葉が流行した。
『濡れ落ち葉』が登場するまでは専ら『粗大ごみ』と呼ばれていた。
ブラブラする夫を妻が不満を持ち自嘲気味に言う場合『不燃ごみ』と言ったそうだが、これは『粗大ごみ』のように普及せず今ではほとんど使われていない。
似たような意味の言葉で面白いのは『ラ・フランス』。この果物はフランス原産の洋なしの一種。『洋なし』を『用無し』にかけて、無用な人を『ラ・フランス』と呼んでいるようだ。

『横出世』という言葉をご存知だろうか?私はここのコメントを書くに当たって調べていて初めて知った。
『横出世』とは、「地域活動やボランティァ活動、趣味といった(仕事以外の)自分の興味ある分野で友達を増やすこと」を意味するそうだ。
私の身近にも『横出世』を目指す人はたくさんいる。こんな人には人間の温もりと限りない人間的豊かさを感じる。
現役時に出世すればそれにこしたことはないが、『横出世』も有意義な人生を送る上で大切なことではないかとつくづく実感している現在の私である。
『横出世段々減った妻の愚痴』・・・視線も濡れ落ち葉から尊敬の眼へ。