見るだけの客を二秒で見破られ(他作)

プロの店員の目ならば『買う積りの客』か『見るだけの客』かは一目瞭然だろう。
『見るだけの客』は首の痛い人が多いらしく商品を「ジー」と見ると盛んに首を横に振る。最後に値札を見て『チョットねー』と意味不明のことをつぶやいて、次へ移る。店員はすかさずこのお客は『一ランク下の価格帯の商品』の客と勘を働かせ、次のコーナーを案内するが、再度同じことをする。
以上は女性客の話だが、男性客になると『商品』を見るのではなく、『美人店員』を見て回る『からかい』も混ざるから質が悪い。
店員からすれば『買う宛てもない男性が時間盗り』というところ。
冒頭の句を詠んで、即座に浮かんだ句は
『試食して買わない客とすぐ分り』
スーパー等に行くとこんな客の何と多いこと。私も時々食べることがある。観察していると、店員が試食品を差し出して『どうですか?』と聞かれ、笑顔で「おいしい」と答える人はほとんどいない。これはそう答えると『即購入』となるからだろう。たいていは、首を横に振って「ありがとう」とその場は『食い逃げ』している。これが庶民の生活の知恵なのだろうかと思う。
『食い逃げで味見て回る試食会』