ああ気楽気楽とひとり言(他作)

句を作った背景は色々考えられる。例えば、
母親がわがまま息子と二人暮らしであったが、大学を卒業して県外に就職したので肩の荷を降ろした安堵感から出した言葉。
あるいは、老妻が何かと衝突していた口うるさい夫がやっと亡くなり、一人になった開放感から不謹慎ながらつい口に出した言葉。
等々。
いずれの場合であろうと、一人暮らしを始めた人に独り言が増えるのは、家族との会話など、外界から与えられる刺激が急に少なくなってしまうために、自分に刺激を与えるため。
では、外界から刺激がないと人間はどうなるか?
イライラしたり、刺激を求めて歌ってみたり、最終的には幻覚や幻聴が現れるという。
結論から言えば一人暮らしの人の『独り言』は平常心を保つための自己防衛ということが言えそうだ。
同じ独り言でもパソコンに向かって「アレーおかしいな?」とか『アーダメだ。ここが違ってるわ」と言うのはモノが違うらしい。こちらの方は重症になると『総合失調症』という病気の一つのようだ。