病床のおじぎは頭ちょっと上げ(他作)

面白いところに着眼した句だと思う。
これが、寝たっきりで頭も動かせない重病人であれば『病床のおじぎはまぶたちょっと開け』となるだろう。
このような視点から日常の生活を見て、『おじぎ』『会釈』をテーマに数句詠んでみよう。
『追い越して窓から右手会釈する』
『バスとバスちょっと手を上げする会釈』
『ランドセル重みかぶせておじぎさせ』
『携帯で立って何度もするおじぎ』
以上は『おじぎ』や『会釈』をする良い事例だが、感じ良くないのは、全く『おじぎ』や『会釈』をしない事例。早朝清々しい空気を吸って散歩していて、相手が後ろから抜いても正面から出会っても全く挨拶しようとしない。タバコプカプカ吹かせながらの犬の散歩。
知らない人間なら許せるが、知っている人間だと人間性まで疑いたくなる。