孫帰省柱のキズが上昇す(他作)

孫の成長を楽しむ句で孫のいない私までほのぼのしてくる。
『柱の傷』と言えば童謡『せいくらべ』を思い出す。
『柱のきずはおととしの 五月五日のせいくらべ・・・」
私は何ら疑問を持たず先生に教えられるまま『良い歌だな』と思って歌ってきたが、頭の良い子は「どうして傷は昨年でなくておととしなんですか?」と先生に質問するらしい。
この童謡の作詞者は海野厚。静岡市に7人兄弟の長男として育った。
旧制中学卒業後、可愛い弟妹を残して上京して早稲田大学文学部入学。卒業後童謡作詞家へ。
厚は度々帰省して弟妹の背を測ってやったと言われる。
しかし、『昨年』は厚が東京で肺結核を患っていたため帰省できなかった。
病床で2番までの歌詞をやっと書き終え、28歳の短い生涯を閉じたという。
こんな良い話の後に茶化す訳ではないが、『孫』を『祖母』に置き換えて、
『祖母空ける障子の穴が下降する』