八十路坂もう再生紙にはなれぬ(他作)

私が所属する川柳クラブの大先輩の句だがなかなかの傑作。
『八十路坂』と『再生紙』を対比しているところが気に入った。読者は「ウーン」とうなって頭を微妙に左右に振るだろう。
さて、27日に本欄でコメントしたように、日本人の2006年の平均寿命は男79.00歳、女85.81歳であり、既に80歳に到達した人のコメントにはならない。
そこで、80歳の人の平均余命を調べると、最新の平成16年データでは男は8.39歳、女11.23歳。まだ10年前後もある。『再生紙』など寂しい発想をせず、ゴールまで張り切って欲しいもの。
再生紙』について少し触れてみたい。再生紙という言葉はマスコミが作り出した造語という。
従って定義はないのでわずか1%でも古紙を利用した紙は全て再生紙と呼んでいる。
驚いたのは、日本の新聞発行部数は全体で800万〜1000万部。そのうち1割前後が販売店からそのままリサイクルに回されるということ。
冒頭の句に習って六十路を詠んでみると、
『ざら紙だと勝手に使う六十路坂』・・便利の良い存在