少し先見ないと曲がるライン引き〔他作)

この句を読むと学校時代のグランドのライン引きを思い出す。先を見ないと曲がるのはライン引きだけではない。私の姿勢だって杖を突いて足元に注意しながら下ばかり見て歩くとなぜか体全体や首が患側に傾く。それらを正す方法として、私が試みているのは、下は見ないで遠くの電柱を見て一心に歩くこと。
この句は単に『ライン引き』として読めば何の味わいもないが、少し視点を変えて受け止めると、目標を持たず、その日暮らしをしている若者のふがいなさを嘆いているようであり、その場しのぎの今の政治への不満を詠んでいるようでもある。