帰ろうとすると話題をさがす母(他作)

人間不思議なもので年老いて体は弱っても口の方はお達者なようだ。
従って、日頃あまり外出できないから、たまに我が子が来てくれた時くらい,ストレスを口許から吐き出したいもの。
従って、少しの時間でも子を自分の所に留め置くため、あらゆる手段を考える。
例えば「野菜はあるか?」と言って一緒に畑に出て白菜や大根を採ったり棒に干してある玉ネギをおろしたりする。そして米も20キロ・30キロと車に積ます。帰り際には「冷蔵庫の中で要る物があれば何でも持って帰れ」という具合。母親とすればこれでかなり時間の引き伸ばしもできる。子は、例え帰りを急いでいても、『親がいるからこそしてくれるもの』と感謝し、これには従うのが親孝行というもの。