警察が来そう戸締り厳重に(他作)

本来ならば「泥棒が来そう戸締り厳重に」に詠むところであるが、あえて『警官』としたところにこの句の読者の意表をついた面白さがある。
最寄の交番の警察官が区内の家を巡回して施錠設備や防犯体制の指導をするのであろうか?

現役の時、郵便局の防犯体制等の監査をする仕事をした経験がある。もちろん無通告。郵便局側では「前回監査から何年たっているので今年は来るころ」とおよその監査時期の予想をして、いつ監査が入っても良いように、冒頭の句のごとく、キチンと防犯体制を整えていた。予想のできる内部監査だけではないが、いつ来るか分からない監査を意識して行われる郵便局の防犯対策が、犯罪の減少に効を奏していることは間違いない。
同様に警察が来るからと「戸締り」を厳重にすればそれだけでも泥棒からの被害を未然に防ぐ効果はあるものと思われる。
もっとも侵入の手口を最もよく知った警官が自ら泥棒に入るのであれば話は全く別だが。