葬儀場未亡人より泣く女(他作)

この句をどう受け止めようと読者の勝手。
ある程度年配の女性が読むと『奥様はあまりに突然なご主人の死の悲しさに涙も出てないから作者は参列者の女性の涙の方が目に止まったのであろう』と受け取るだろう。
しかし、興味本位で男性が読む場合は『生前親しく交際していた女性が葬儀場の陰にこっそり姿を現し、ハンカチ片手に最後の別れを悲しんでいる』と読むかも分らない。
作者があえて「中七下五」で『未亡人と女』を対比しているところを見ると、こんな視点から詠んだと考えるのが妥当と思われる。