もう無駄なスタミナ料理出さぬ妻〈他作)

堂々と全国紙の一席を飾った句だ。
作者は淡々と作句したようだがこれを一席に据えた選者の勇気を買いたい。
普通の選者ならば『破礼句』として選の俎上にも乗せない句だろう。
この川柳が何を詠んでいるのか説明する必要までもない。しかし、上の句「もう無駄な」で奥歯に何か物がはさったような意味深な句になった感じがする。
「川柳は全部言い切ってはダメだ」と言われる。すなわち、『余韻』を残して終わるのが理想的な句だ。冒頭の句の場合は上の句の表現が面白いと思う。同時に『なぜ?』と疑問を持たす結果となった。このため、疑問に限りなく近い余韻を残して終わっている。
コメントはこの位にするので、作者の『もう無駄な』の真意を読者で考えて欲しい。