暇できた時には子らは家にいず(他作)

この句を読まれて、作者に「それがどうしたのか?」と訊きたくならないだろうか?
川柳は情景描写だけでは面白くも何ともない。人情の機微を詠うのが川柳であるからには、作者の気持ちが入らねば川柳とは言えない。
この句の意味が
忙し過ぎて子らの世話が十分できなかったことを悔いているのならば「子は何もかまってやれず家を出る」と詠めるし、
逆に子が家を出て時間が十分あるという意味ならば、冒頭の句を逆転させて「子が家を出た後時間を持て余す」と,
誇張して詠めば面白い。
例えの良し悪しは別として、句の中に作者の気持ちを入れることが必要だと言うことでコメントを終えたい。