もう麦も食えなくなったビンボウ人(他作)

この句を読むと、ある程度年齢を重ねた方ならば『貧乏人は麦を喰え』という言葉を思い出す。
広島県が生んだ総理大臣池田勇人が、昭和27年の通産大臣当時『貧乏人は麦を喰え』と失言して辞職したことはあまりに有名である。
さて、我々の小学校のころは、クラスに数人、麦飯を弁当に持ってくる者がいた。
我が家は家では二分程度の麦飯を食べていた。
しかし、弁当だけは母親が子どもの見栄もあると思ったのか、白いご飯を詰めていた。
麦飯のことなど一切忘れていた昭和六十年、隠岐の島に転勤して、島内では一流のホテル『ニューカジタニ』に宿泊した時、数十年振りの『麦飯のおいしさ』に感動した。思えばそれから既に24〜25年経つが口にしていない。
私は米や小麦を買わないので、小麦がどれほど高価か分らない。
最近の小麦の小売価格の急騰の原因は、小麦そのものが自給率の高い米と違って100%近く輸入に頼っていることにあるようだ。
直接的な理由はオーストラリアの干ばつとアメリカの小麦からトウモロコシへの作物転換と言われる。

『玄米も高くて食えぬビンボウ人』・・・我が家は玄米です。