似顔絵を見た犯人が安心す(他作)

この句で思い出すのが2004年10月5日発生の地元廿日市高校二年生北口聡美さんの殺人事件。事件発生直後、犯人を目撃した被害者の妹や祖母の証言を基に似顔絵が公開された。
殺害目的の掴めない事件であったが、これだけ鮮明な似顔絵ができれば犯人は逃げ切れまいと私は思っていた。
しかし、一年経っても二年経っても逮捕の気配はなし。末娘が被害者と同級生だったこともあり、その間五回も警官が事情聴取に来た。
警察が市民に『どんな小さな情報でも』と呼びかけ、また父親が『情報に対して300万円の懸賞金』を掛けているが、来月の5日で満三年を迎えようとしているこの事件は迷宮入りの臭いすらしている。
まさか、『似顔絵が似ていないから犯人が逮捕されない』という理由はないだろうが、専門家の話によると、指名手配の似顔絵は『顔を忠実に再現したしたものより犯人のイメージを的確に伝えるものの方が犯人がつかまる率が高い』という。
冒頭の句の『犯人が安心す』とは、忠実に再現したものが似ていないから?素顔のままでも?イメージチェンジしてでもどちらでも逃げ切れる、という安堵した気持ちを詠んだものだろうか?