子をおんぶしたバッタには情がわき(他作)

親子の愛情表現は何にしても感情をくすぐられる。やはり最も美しいのは人間だろう。
この句を読んで反射的に思い出したのは車椅子で有名な画家『はらみちを』。我が家にも私が講演会で買った絵を一枚玄関に掛けている。
絵は、もんぺ姿の母親の背中におんぶされた子ども(彼)が紙ひこーきを飛ばす姿である。絵の中に余白を利用して『母に対する思い』も次のとおり織り込まれており私の気に入った作品である。

お母さんの背中で
 紙のヒコーキ折った

お母さんの背中は
 航空母艦
肩越しヒコーキ飛ばした
ソレッ!

ボクのからだが浮き、青空が切れ
風が光った
 小躍りするボクをのせて
お母さん空母は、猛然と走った
走った

冒頭の句は母バッタの子バッタに対する母性愛へ視点を当てているのに対し、下の文章は子の「はらみちを」氏が母親を信頼し愛する気持ちを表現している。客観的な形こそ同じだが、コメントがピント外れになったことを容赦願いたい。