本宅はどっちなんだろ渡り鳥(他作)

難しい質問だ。鮭や渡り鳥は、帰巣(きそう)本能を持っており、必ず生まれたところに帰るそうだ。その『帰巣本能』は代々子孫に引き継がれていくという。
「渡り鳥」で最も身近なのは『ツバメ』。なぜ『渡るんだろうか?』という素朴な疑問があるが、『より多くのえさを求めて渡る』のが理由のようだ。『日本など北半球の大地は樹木が茂って昆虫なども豊富であり繁殖条件が良い。しかし、秋になると昆虫が急に少なくなり、鳥たちはえさを求めて南に移動する』らしい。
ツバメはベトナムインドネシア等東南アジアから日本に渡ってくる。冒頭の句にあえて回答するならば、それぞれのツバメが誕生した場所を本宅と呼ぶべきだろう?
話は変るが先ほどの『帰巣本能』は人間ならば『帰省本能』と呼ぶようだ。
その最も大きな表れは、正月やお盆における都会から生まれ故郷への大移動。
次には家を新築する時にもその傾向は表れる。
具体的に言うと、広島市周辺の団地で北方面の安佐北区に新築する者には、安芸高田市三次市庄原市等その延長線上に実家を持つ者が圧倒的に多い。これも「何かあればすぐ帰れる」というひとつの『帰省本能』だ。私の住む廿日市市の団地に広島県西部や山口県の出身者が多いのも同様である。勿論これらの場合は渡り鳥とは違うので『本宅』は現在居住している家。もし、実家の方が現在の家より心の安らぐ場所となり始めたら夫婦危機の前触れ。