へそくりを見つけて少し足してやり(他作)

一読明快の句だ。しかし、夫婦のどちらが作ったかは不明。『へそくり』といえば、「家庭内で倹約して金をどこかにプールすること」であり、昔から財布を握る一家の主婦だけが行う専売特許。
しかし世の中は給与振込み制度で逆転。夫の給料日には妻が待っていたように全額引き出し、あたかも自分が稼いだような口調で、「ハイ!来月分の小遣いだよ。途中では追加しないからね」と言って、わずか『3万円程度』を旦那に渡す。旦那はその中からは不時の出費に備えて少しずつへそくりをするらしい。「トホホ!」『これじゃあ毎日の昼飯食ったら終わりじゃあないか』と言いたいところだがその言葉を飲み込んで、旦那は3万円を財布に折り込む。
中にはそんな家庭もあるだろうと私は推察する。
話は変るが、以前は農協等金融関係に携わる者の犯罪が群を抜いていた。組織のチェックシステムに問題があるのは当然だが、加害者の中には『妻の金銭管理が厳し過ぎ、悪いと思いながらつい魔が差した』と言っている者もあり、妻の夫に対する金銭管理が要因となっていることが窺える。
冷静に考えると、自分の稼いだ給与を妻に頭を下げてもらうなど、著しい無駄遣いでもない限り本末転倒の最たるものだと私は考えるがどうだろうか?こんなことを書くと女性から『どこからも給与ではもらっていない女性の家庭内労働はどう評価してくれるのか?』と強い批判を浴びそうなのでこのへんでコメントはやめよう。