仏壇にジッポ居場所を見つけたり(他作)

句を理解しようにも『ジッポ』なる言葉がまず分らない。調べると、米国のジッポー社が製造する金属性オイルライターのこと。禁煙が定着しつつある現代にあってジッポの存在感は墓参りするときと、仏壇で線香に火をつけるときくらいしかない。タバコの火をつけるのに高価なジッポを使っていたのは紳士。一般の人は百円のガスライター。
この句から、今では不要だが処分するのは勿体ないジッポの居場所を見つけた作者の安心感が伝わってくるところが面白い。
このような素材で作句できるということは、身の回りの何でも川柳の『素材』にはなり得るということをモデル句で示されたようだ。