どこを見てそうなったのか一目ぼれ(他作)

この句を読むと毎週日曜日放映の桂三枝司会の『新婚さんいらっしゃい』を思い出す。
『奥さんのどこが気に入ったのですか?』と質問して男性が『一目ぼれです』と回答することはしばしば。誰の目から見ても『まさか一目ぼれはないだろう』と思う女性の場合は、桂三枝が少し笑いながら何か言いたそうな顔をして言葉を飲み込んで『これだから世間は男女がいい具合に収まるんですね』というような皮肉を平気で言う。
普通ならば大変侮辱した発言であるが、それを、観客や視聴者だけでなく、出場した新婚夫婦まで嫌味なく笑わせるところに、桂三枝の司会によって30年以上この番組が続いている所以がある。
さて、『一目ぼれ』はどういう女性にするのだろうか?これは男性が女性の何を見て心をひかれるかの問題であるが,好みの基準は十人十色。
私ならば自分のことはひとまず棚に上げて1、可愛さ 2、優しさ 3、知的 4、明るさ 5、美人と順位を付けたい。
よく考えると「一目ぼれ」とは何だろうか?と疑問が出てきた。
自己紹介を受けて色々話を聞いた後、好感を持つのは、初めて見た後の色々な情報がインプットされ、それを併せ考えて好感を持ったということであるのでいわゆる「一目ぼれ」とは違う。
パソコン受講中担当の女性講師に「すごく頭がいいな」と好きになっても、パソコン技術という大きな要素が入り込んでおりこれも違う。
『一目ぼれ』は文字通り『初めて見た瞬間ほれる(好きになる)感情』である。
少し理屈的になったがお米の『ひとめぼれ』も品種名だといえばそれで終わりだが、食べる側からすれば少し違和感がある名前ではないか?
米粒を見て一目でほれる訳がない。食べておいしくて、初めてほれるのだ。
もう少し食感にマッチした名前にしようとするとスマートさには欠けるが、『やめられ米(まい)』などいかが?