自腹では会食しないえらい人(他作)

私は現役時代色々な上司を見てきたが、この句はあまりに断定し過ぎている。
この句を企業や官公庁でえらくなった人が読むと怒るに違いない。
そこで、次に私が見た目でもう一句作ってコメントを始めたい。
『えらい人自腹切る人切らぬ人』
まずは自腹切る人の例を。
酒の好き嫌いは別として手帳に誰といつ会食したか必ず記録しており、給料日には幹事から請求される前に、『先日の飲み代はいくらだったかな?』と自分jから先に尋ねる。そして金額を聞くと自室へ財布を取りに帰って即座に会食費を払う人。こんな人はまれだが、こんなえらい人を見ると部下とすればその人間性まで丸ごと見たようで大変気持ちが良いものである。
一方逆に自腹切らぬ人の極端な例を。
えらい人が一人でふらり飲みに行く。一人では自分が清算せざるを得ないので、途中で仕事中の気の置けない秘書担当の部下を呼び出す。「俺だけどよー。今『只飲亭』にいるからちょっと来ないかな」これで帰る時の清算はOK!!しかも自宅まで送りのタクシーつき。見た訳ではないが、イメージすればざっとこんなところだろう。
『自腹を切るか切らぬか』は私が現役中上司の人間性を見る際の大きな尺度としてしてきたことは間違いない。今もその見方は変わっていない。
いわゆる『裏金問題』もこういうことと無関係とは言えないだろう。