寝ていると起こしたくなる孫と犬(他作)

作者の孫と犬への愛情が伝わってくる句であり、温もりを感じる。
小さい時の子や孫の寝顔ほど可愛いものはない。
あまりの可愛さに、つい鼻や頬っぺた、もみじのような手に触り、起こすこともしばしば。
犬を起こしたい気持ちは飼っている者でなければ分らないだろう。
我が家には3歳になるヨークシャテリアがいる。
わずか2キロあまりの成犬で散歩とドライブが大好き。
言葉は分らないのに、自分に都合のいい言葉「行こう」と車の鍵の音「チャリン」にはすごく敏感である。
私は小犬がリビングでいびきをかいている時、わざと「行こう」と言ったり車の鍵を「チャリン」と鳴らしてやる。
そうすると、小犬は即座に立ち上がり、出口の方に急ぐ。『冗談だよ!』と言って謝るが、小犬がビックリしたように起き上がる仕草は何とも楽しい。
いつも言っていると、犬も人を見てウソか本当か判断できるようである。
私は全く信用されておらず、私が言った場合だけは、一旦起き上がっても「お父さんが連れて行ってくれるわけないじゃないか!」というような顔をして再び寝入ってしまう。
『小犬からわが身の老いを知らされる』