旅便り妻にも様をつけて出し(他作)

『様』を名前の後に付けるのはその人に対する尊敬の意味から。夫婦仲のあまり良くないと思われる作者は妻への手紙に「様」をつけることを旅の宿であらためて疑問に思ったようだ。郵便局では「様や殿」がなくても表に住所と宛名が書いてあればチャンと相手に届ける。そうすると『様付け』『殿付け」は日本の手紙文化と考えた方が納得いく。長い間の慣習は、『旦那が妻を尊敬しているとかいないとか?』そんなチッポケなことはどうでもいいことなのだ。だから無条件に『様』と書かせているのではないのだろうか?
『殿」と『様』との使い分けについては意見が色々あるようだ。長くなるのでこの辺で置くがこの問題は『殿様問題』と呼ばれているよう。いつかここで取り上げたい。