花でなく鉢がいいねとほめられる(他作)

よくあることだ。特に山野草は質素な花をしがらき焼等の立派な美しい鉢が盛り立てている。したがって、このような句ができても不思議ではない。「盛り立てる」と言うよりも、鉢そのものも花と一緒に観賞してもらいたいという気持ちで作られているのだ。その証拠に私が毎月購読する「趣味の山野草」の写真にはほとんどの山野草が鉢と一緒に写っている。でも一生懸命美しい花を咲かせた人にはそんな浮わついた話は無用で自分の努力の成果を見せたいだろう。
次に友人を食事に招待してよくある事例を一句
「料理より買った漬物ほめられる」
料理した者としてはその感想を聞きたいのに、最初に友達から出てきたことばが「アーお茶がおいしい」とか「この漬物広島菜?おいしいねー」では受け止める人によっては「料理はおいしくなかったの!」とも解釈する。
ちょっと真剣な話に戻して、夫婦は「花」と「鉢」の関係と同様である。
理由はお互いが「持ちつ持たれつ」して生きているからだ。
ただし、夫婦によっては「持たれつ持たれつ」の場合もあるし、パターンは色々。
他人事として夫婦を見ていると実に面白い。熟年離婚は妻から言い出す場合がほとんどだとか?
男性軍はくれぐれも「旦那より嫁がいいねとほめられる」ことにならぬよう。そういう句を詠まれる夫婦に限って、妻の方から熟年離婚を先に口にするようだ。