車椅子目線はいつもヘソ辺り(他作)

この句を読んで変な想像をめぐらしたり、車椅子の人を羨ましがってはならない。
私も脳卒中で入院当時病院内は当然車椅子で移動していた。
廊下で出会う看護師の白衣が目にまぶしかったが「白衣の向こうにはヘソがあろう」など不謹慎なことを考えたことはない。
看護師の中には患者にあいさつひとつするのにも一々腰を落とし患者と視線を合わせる人もおり感動したものだ。部屋ではベッド隣の通路でひざまずいて優しい視線をピタリ合わせ
「Sさん今朝はお変わりないですか?」と包み込むように聴かれて目を覚ますこともあった。

子の身長がテーブルの高さにも達しなかった頃私はよく思っていた。『同じ家に住んでいるとはいえ通常見る世界が低い位置ばかりだから我々とは住む世界(居住感覚)が違うだろうな?と。同様に、車椅子の視点も健常者に気の付かないところが多々あると思う。
車椅子ばかりでなく世の中には、目や、耳等が不自由な方も多くおられる。それぞれのハンディに応じた世界で生きておられると言うことを健常者は知っておかねばなるまい。それでこそ初めて障害者の立場に立った相談等ができよう。ちょっと大げさに書き、冒頭の句の意味と全く異なってきたがご容赦を。