偉いより賢い人になれと母(他作)

母は子に対して社会的に高い地位に就くことより人間的に賢く成長してくれることを望んでいる句のようだ。競争社会ではそんな母親ばかりではないが、この母親こそ賢いのではないか?私は現役時代、身近に立派な先輩がいて常々思っていたことは、『良い人は履いて捨てるほどいるが、立派な人はその何十分の一、何百分の一しかいない』ということだ。この思いは退職した現在も素晴らしい人に出会うとそう思う。人間の美しさは、若い時の外面の美しさにも魅力を感じるが、ある程度歳をとって、その人の人生経験から感じさせられる内面から湧き出る美しさには本当に魅力を感じる。逆に、人を傷つけることばかり言う人間が身近にいるが、この場合『この人は60年もの長い人生でこれだけので人格形成しかできなかったのだろうか?』と気の毒に思ってあげることにしている。そう考えることでその人に対する腹も立たないから不思議。